みさとバトンインタビュー vol.1
美郷町では、美郷町商工会、宮崎県事業承継・引き継ぎ支援センターと連携して『みさとバトン』として事業承継に取り組んでいます。このブログでは、美郷町への移住と、色々な仕事について発信しておりますが、その一つとして、事業承継を提案します。
現在、後継者募集中の事業については近日中に美郷町役場ホームページに掲載予定です。
※この記事の『弁ちゃん食堂』さんは、第三者による事業承継が成立しました。事業承継をしたのは、移住者の方です。後を継いだ方のインタビュー記事も、後日UPします。お楽しみに!
橋のたもと ランドマークの小さなラーメン屋さん
日向から、ここ美郷町を通り、椎葉諸塚方面を結ぶ国道327号線は、道幅が広く、カーブも緩やかで走りやすい道路です。四季を通して、自然の景色が美しく、ドライブに大変おすすめです。
耳川沿いに進むと、椎葉・諸塚方面と、北郷方面への分かれ道のところに、小さなラーメン屋さんが目に入ってきます。
お店の名前は弁ちゃん食堂。黒木東さんが切り盛りするお店です。もともとお姉さんが営業していた食堂を受け継ぎ、営業を始めたのは平成5年1月のこと。それから28年、黒木さんが腕を振るい続けてきました。
弁ちゃん食堂のメニューはラーメンとホルモン焼き。ラーメンは、たっぷりの野菜の上に甘辛く炒めた豚肉を乗せたあっさり系。毎日通ってくる方がいるというのもうなずける、そんな手作りラーメンです。
仕事終わりの晩酌は焼酎とホルモン焼きで
ホルモン焼きは、黒木さん開発の秘伝のタレで。定食についてくる白ご飯が山盛りだからといって、心配はいりません。タレだけでもご飯がすすむおいしさですから。夜は、焼酎片手に、ジンギスカン鍋でそれぞれに焼くスタイル。会話も弾んで、一日を楽しく締められそうです。
お店には、お昼には午後からの英気を養うために、夜は一日の疲れを癒やすために人々が集います。立地が良いので、ドライブ途中のお客様が多いのかと思いきや、主なお客様は近所の人達なのだそう。
「前はよぉ、近くの人達が畑帰りやら、山仕事帰りに地下足袋履きのまま来よったがなぁ。みんなうちで晩酌しよったとじゃが」
人々の暮らしの一部に、弁ちゃん食堂はあったのですね。
引退を決意。閉店を惜しむ人で店は連日大賑わい
そんな弁ちゃん食堂ですが、黒木さんも2022年で87才を迎えるにあたり、2月いっぱいでお店の暖簾を下ろすことになりました。
弁ちゃん食堂閉店のニュースは、瞬く間に町を駆け抜け、閉店を惜しむ人で店内は連日満席。三日連続でホルモン定食を食べに行く猛者もいるほどです。
「お忙しいですね。大丈夫ですか?」と黒木さんに声をかけると
「みんなが惜しんで来てくれて、ぼくは幸せよ」
と目を細めます。長く営業が続いたのもこのお人柄のたまものですね。
お店を承継したい移住者が
偶然にも、黒木さんが事業承継を検討するのと同時期に、食堂を承継したいという移住者の方が現れました。屋号やメニューはリニューアルしますが、地域の人が集うラーメン店は、この場所に残ることになりました。
「ここの店も、地域の人達がつこおて(使って)くれんかったら、もう潰れちょったね。新しい食堂も、地区の人に使ってもらえる店になるといいね。彼は気さくやし、友達も多いごたるから、きっと大丈夫じゃろう」
と、新しい経営者にも太鼓判!
「長い間、お店をされていて、苦労はなかったですか?」と尋ねると
「28年間、嫌だと思ったことはなかったよ。楽しくて、長くは感じなかったなぁ。ここまでやれたのはお客様のお陰よ。感謝感謝」との言葉が返ってきました。
「これからは野菜を作るのが楽しみよ。でも、また別のところでラーメン作ってるかもね。」とニヤリ。
黒木さんの「これから」と新しいお店の「これから」。両方の「これから」の日々も、これまでと同じく、楽しい日々にになりそうですね。
弁ちゃん食堂 黒木さんからのメッセージ
お客様各位
この度、弁ちゃん食堂の閉店にあたり、皆様には二十八年の長年にわたり、お引き立ていただきまして誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
弁ちゃん食堂の閉店に至りましては、美郷町企画情報課の商工係より後継者のお世話をしていただき、閉店を決意致しました。弁ちゃん食堂の後を継いでいただく方は平尾様です。
平尾様のお店が開店されましたら弁ちゃん食堂同様、よろしくお願い申し上げます。
弁ちゃん食堂 黒木東
美郷町に興味がわいたら
新しい仕事の形として、事業承継を検討してみませんか?事業承継に興味がわいたら美郷町役場企画情報課(電話 0982-66-3603)まで。美郷町に移住したくなったら、美郷町役場政策推進室まで。いずれもお気軽にご相談ください!
美郷町に遊びに来たくなったら、美郷町観光協会まで。美郷町は、梅の花の時期もいいですよ!